ライティングでより効果を出すテクニック!「引きの技術」とは
ライティングで確実に結果を出すためのテクニック
さて今までで日常の中で機能するコツは一通りつかんで頂けたかと思います。
今回はもっと効果的にもっと確実に結果を出すためのテクニックを紹介できたらと思います。
「引き」の技術
いきなりですが、想像してみて下さい。
娘に会いに田舎から初めて東京に来た老夫婦がいます。
2人は歩くのに疲れてとあるコーヒーショップに入り、席につきました。
しかしいつまでたっても店員さんが注文を取りに来る様子はありません。
それもそのはずで、そのお店はセルフサービスのお店なのです。
都会に住んでいる我々には、セルフサービスは当たり前ですが、
田舎では注文は取りに来てくれるもの、お金は後で払うということが当たり前の常識の中で生活しています。
ある物事が「当たり前」になっている人間は、「それがわからない人がいる」ということをなかなか想像できないものなのです。
お店の前に一言、「カウンターでの注文をお願いします」とあれば良いのですが、
今はその一言がないお店が多い印象です。
あなたの書く文章の読み手を上記のように「おいてきぼり」にしないためのコツを以下に共有させて頂きます。
1.一つ前のプロセスを共有する。
「今年」の話をするなら「去年」のことを、「来期の戦略」に入るなら「今期の戦略」を、「意見」が欲しいなら「問題点」を。このように1つ前のプロセスを読み手と共有しておくことが重要です。
いきなり、「今年の売上はなんと1000万円!」と言われても、
これがどうすごい数字なのか読み手にはわからないものです。
「今年の売上はなんと1000万円!(昨年比200%アップ!)」
と記載しましょう。
2.教える側の狙いまで伝える。
教える側は自分で書いているので目標が見えていますが、教わる側は 、そもそも何を目指すかがわからない場合がある。「こんなことをしてなんの意味があるのだろうか」「これで本当に力がつくのだろうか」などの不安は教わる側やる気を大きく左右するのです。
つまり、「今回は〜ができることが目標です!」のようにゴール設定を入れることで教わる側もイメージしやすく、やる気になるのです。教える内容をあらかじめ伝えておくだけでなく、そこからさらに1歩引いて、教える側の狙いまで伝えることが重要なのです。
3,あえて素人の目線を作る
こちらでもとある例を紹介します。
ある人が高校生向けの国語の問題を作成するチームに入りました。
その編集部には真面目な人が多いのでみんな課題図書や同じ筆者の別の作品まで熟読したそうです。その時ある人が「私だけは最後まで課題図書を読まないでおきます」と発言しました。
問題文に取り上げられるのは長い1冊のうちのせいぜい2,3ページ分くらいで、この本を読んでいない前後の脈絡がわからない生徒に問題が解けるようにしなければならないのです。
もしも編集チーム全員が熟読をしてしまうと、読んでいない人の目線がなくなってしまうことを恐れたのです。
専門家になってしまうとわからない人のわからないという気持ちがわからなくなってしまいます。なぜ?どこが?どうして?などのわからないことへの想像力が働かなくなるのです。
上記のことから、自分の中にあえて死角を作ったり、誰かに引いた目線で見てもらったり、素人の人に意見を聞くなどわからない状態を知る努力が必要になってくるのです。
新人に仕事を教える時、ベテランが3回言ってもわからなかったことを2年目社員があっさり教えてしまったという事例もよく聞く話ですよね。
去年自分がわからなかった記憶がまだ残っているからです。
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いかがでしたでしょうか?
あなたの文章力をよりアップさせる「引きの技術」ぜひ試してみてくださいね。