文章表現の中に「カメラワーク」を!映画やドラマなどの映像表現を参考に!
文章構成は「眼」で考える。
例えば同じ内容でネタを10人のライターに渡し、記事を作って欲しいと頼むと、10通りの原稿が出来上がるでしょう。書き手によってどの言葉をチョイスし、どんな論理展開をして、どんな言葉で締めくくるか。人によって全く違ってきます。
もっと言えば同じ内容でも、文章の面白さ、読みやすさ、リズムによって大きな違いが出ます。そしてそこに客観的な正解はありません。だからこそ文章は難しく、奥が深いのです。
文章のカメラワークを考えよう
文章の話をするときに、「起・承・転・結」を意識するという話を聞いたことはありませんでしょうか?
しかし起承転結の「転」はストーリー仕立ての流れにおいてこそ効果を発揮するもので、読者のことを考えると、起承転結にこだわる必要は全くありません。
現在よく使われているのは「序章・本論・結論」による3部構成になります。
起承転結よりもこっちの方がずっと描きやすいですし、不用意な「転」がないため読者の違和感や誤読も少なくなります。
では以下に、「序章・本論・結論」の書き方を説明していきたいと思います。
序章(導入〜客観のカメラ〜)
ドラマが始まる前に必要なのは「今から何が始まるか?」の説明ですよね。
なんの事前情報もない読み手に対して、書き手は「これから◯◯について書きますよ」ということを状況説明する必要があるのです。
客観的に見た情景を伝えることが大事です。
本論(本編〜主観のカメラ〜)
続いては具体的内容です。ドラマで例えると主人公のセリフやデートの様子など極めて近い距離での主観的なショットの連続をさすことができます。
このように自分の意見や仮説などを展開して論を進めていきましょう。
結論(結末・エンディング〜客観のカメラ〜)
最後にもう一度遠くから俯瞰して見てみましょう。
結論として再び客観的な視点に立って論をまとめていく必要があります。
展開された自らの意見を「風景の一部=動かしがたい事実」として描きましょう。
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いかがでしたでしょうか?文章において「常にカメラワークを意識する」ということは非常に重要なことになります。映画やドラマなどのカメラを意識すると、文章と文章のあるべき順番も理解しやすくなり文章の説得力も増してきます。
そしてもちろん、文章全体にメリハリがついてリズムも良くなってくるのです。
良いことずくめですね。ぜひ皆さんも文章の「カメラワーク」を意識してみてください。