多数派に向けて書くのは危険!たった一人の「あの人」に向けて書こう。
多数派に向けて書いてはいけない。
例えば「典型的な20代の社会人」を想定して彼ら彼女らに向けて文章を書くというのは、母数が多い分一見正しいアプローチに見えます。
しかし身近な雑誌に置き換えて考えて見ると、実は「多数派」を対象とするよりも「少数派」に狙いを定めた方が紙面づくりはスムーズにいくのです。
多数派向けの雑誌は、エッジの効いた特集も組めず、誰向けなのかがよくわからなくなってしまいがちです。
見えやすいようでもっとも顔が見にくいのが「多数派」なのです。
みんなから喜ばれようとするほど誰からも喜ばれない
当たり障りのない八方美人の文章ほどつまらないものはありません。
思い切って、想像でも良いのでたった一人のあの人、を思い浮かべて書いてみてください。
「地方出身/東京在住/中堅メーカー勤務/20代後半/年収300〜400万円/将来独立志向/副業で稼ぎたいと思っている」といった具合です。
ぼんやりと「一般的な20代の社会人」をイメージするよりもこれくらい細かく絞り込んで対象を設定してしまった方が良いのです。
なぜなら、言葉のベクトルがはっきりするため「その他の人々」にも届きやすくなるからです。
むしろみんなから喜ばれようとすればするほど誰からも喜ばれない文章になるのです。
人は「他人事」では動かない
基本的に我々は他人事には興味がありません。どんなに他者から「メモを取りなさい・もっと本を読みなさい」などと言われようと、自分ごとに置き換えられないうちには耳を貸そうとしないし、反発する傾向にあります。
逆を言えば「これは他人事ではない」と感じた時にようやく耳を傾けるようになり、自ら歩み寄っていきます。
耳を傾けるか否かの境界線は「当事者意識の有無」にかかっていると言っても過言ではないでしょう。
ということはつまり、一般論だけの文章では人の心を動かすことはできないですし、オリジナルで具体的な内容を書くことが非常に大事になってくるのです。
「議論のテーブル」につかせる
ここで一つテクニックをお伝えします。
文中の早い段階で独自の仮説を提示するのです。
ここでいう独自の仮説とは一般論とは相反するような仮説です。
そして読者に「あなたはこの仮説をどう思うか?」と問いかけ、読者と一緒になってその仮説が正しいかどうかの検証作業に当たるのです。
このように読者を巻き込んで文章に引き込んでいきましょう。
書き手の書いた仮説に考えを巡らせ、様々な角度から検証を重ね、なんらかの結論を導き出していく。この流れが非常に重要になってきます。
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いかがでしたでしょうか?意外と多くの人が勘違いしがちな「世間一般的」を幅広くターゲットにするのはもうやめましょう。そして特定の誰かに、できるだけオリジナルで具体的な内容を問いかけていくことが重要になるのです。最初は難しいかもしれませんがチャレンジしてみてください!